働きながら簿記2級を取った勉強法
使った教材とスケジュールの立て方を実体験ベースで解説。
経理職への転職面接では、実務スキルそのものより「なぜ安定した医療業界を離れるのか」を深く問われます。ネガティブな理由だけで終わらせず、前向きな理由とセットで伝えることが鍵になります。
理学療法士から経理職への転職活動で、一番緊張したのが面接でした。「畑違いの業界に、実務未経験で応募していいのだろうか」という不安を抱えながら臨んだ面接で、実際にどんな質問をされ、どう答えたのかをまとめます。これから同じ道を考えている人の参考になればと思います。
経理転職の年収・休日・向いている人の傾向など、全体像から知りたい方は経理転職の全体像はこちらで解説しています。
未経験・異業種からの転職面接では、ほぼ共通して聞かれる質問がいくつかあります。
これは間違いなく聞かれる、一番の核となる質問です。ここでの受け答えは、単に「体力的にきつかったから」というネガティブな理由だけで終わらせず、経理という仕事を積極的に選んだ理由とセットで話せるかどうかが重要になります。
私の場合、答えの軸にしていたのは大きく3つでした。1つ目は体力面。理学療法士として働く中で、この先何十年も同じように身体を動かし続けることへの不安があったこと。2つ目は年収の頭打ち感。資格職として頑張っても、勤続年数を重ねる以上の大きな伸びが見込みにくいと感じていたこと。そして3つ目が、実はここが一番前向きな理由なのですが、もともとお金や計算が好きだったということです。
勤めていたクリニックの院長から、売上や経費の話をよくされる機会があり、そのたびに「こういう数字の動きって面白いな」と感じていました。ネガティブな理由(体力・年収)だけで終わらせず、「だからこそ、もともと興味のあった数字の世界に進みたい」というポジティブな理由とセットで話したことが、面接官にも納得感を持ってもらいやすかったと感じています。
一見関係なさそうな2つの職種を、面接官にどう結びつけて説明するかが問われる質問です。よくある回答の方向性としては、
などが挙げられますが、実際にどう答えたかで説得力は大きく変わります。
私が実際に話したのは、理学療法士としての臨床業務そのものが「仮説検証のサイクル」だったという話です。患者さんの状態を評価し、それに基づいてアプローチ(治療・訓練)を行い、結果を判定して、その結果を次回の臨床に活かす。このサイクルを日々繰り返してきたことで、論理的思考力が自然と身についていました。
経理の仕事も、数字という結果から原因を探り、次の対応を考えるという点で、構造は非常に似ています。「臨床で培った仮説検証のプロセスが、そのまま経理の仕事の考え方に応用できる」という説明は、面接官にも実務未経験というハンデを埋める材料として伝わりやすかったと感じています。
これは経理職特有というより、身体を動かす仕事からデスクワークへ転職する人全般に聞かれやすい質問です。
私自身も、正直「動いていた方が調子がいいタイプ」だという自覚はありました。ただ、この質問には「集中していればそれ自体は問題なく、姿勢をこまめに変えるなどで十分対応できる」と答えました。実際に働き始めてからも、休憩のタイミングで軽く身体を動かす、座り方を変えるといった工夫でカバーできており、心配していたほどのギャップは感じていません。
未経験からの経理応募では、簿記の学習状況についてほぼ確実に聞かれます。
私は、日商簿記2級を取得した段階で転職活動を始めました。経理職の求人は、実務経験が応募条件になっているケースが多く、未経験からの転職は簡単ではありません。その中で、知識を客観的に示せる材料として選んだのが簿記2級でした。
さらに、この資格は「転職活動を有利にするため」だけでなく、「経理として働き始めた後の、次の転職市場でも役立つ」ということが分かっていたため、優先順位を高くして先に取得しておく選択をしました。目先の転職活動だけでなく、その先のキャリアも見据えて準備していたことは、面接でも一貫性のある説明として伝わったと感じています。
異業種転職特有の、想定外の質問が飛んでくることもあります。
私が実際に聞かれて驚いたのは、「今までの人生で、特に頑張って成果を出したことを3つ挙げてください」という質問でした。経理の実務スキルとは直接関係のない質問でしたが、これは恐らく、地道な努力を継続できる人物かどうかを見極めるための質問だったのだと思います。理学療法士としての臨床経験や、資格取得のための勉強など、これまで積み重ねてきたことを振り返って答えました。
面接全体を振り返って一番強く感じたのは、「なぜ医療業界という安定した仕事から、わざわざ経理・一般企業に移るのか」を根掘り葉掘り聞かれたことです。「今後、医療業界に戻りたいという意欲は出てこないのか」「ここまで頑張って資格を取って働いてきたのに、もったいないと思わないのか」といった質問が、複数の面接で繰り返し出てきました。
これは、面接官からすると「せっかく採用しても、また医療業界に戻られてしまうのでは」という不安の裏返しだったのだと思います。だからこそ、単なる逃げの転職ではなく、経理という仕事に対する前向きな理由(お金や数字への興味)を、はっきり言葉にして伝えることが重要だと、面接を重ねる中で実感しました。
ここまでの実体験を踏まえて、これから異業種転職の面接に臨む人へのアドバイスをまとめます。
「体力的にきつかった」「年収が伸びない」という理由だけで終わると、面接官には「逃げの転職」という印象を持たれやすくなります。ネガティブな理由の裏に、必ず前向きな理由(新しい仕事への具体的な興味・関心)をセットで用意しておくことが大切です。
医療・リハビリ業界からの転職では、ほぼ確実に「なぜ安定した仕事を辞めるのか」「戻りたくならないか」を聞かれます。ここで曖昧な回答をすると、採用側に不安を与えてしまいます。自分の中で、この業界に戻る可能性がどれくらいあるのか、なぜ無いと言い切れるのかを、事前に言語化しておくことをおすすめします。
「理学療法士の経験は経理に関係ない」と考えるのではなく、業務の構造(仮説検証のプロセス、正確性への意識、多職種連携の経験など)を一段抽象化して、応募先の仕事にどう転用できるかを説明できるようにしておくと、実務未経験というハンデを埋めやすくなります。
日商簿記のような資格は、転職活動を有利にするだけでなく、転職後のキャリアにも活きてきます。目先の面接対策としてではなく、その先のキャリア形成も見据えて資格取得の優先順位を決めておくと、面接での説明にも一貫性が生まれます。
理学療法士から経理職への転職面接では、実務スキルそのものよりも、「なぜ安定した医療業界を離れるのか」「これまでの経験をどう活かせるのか」という部分を深く問われる傾向がありました。ネガティブな理由だけでなく前向きな理由をセットで伝えること、そして前職の経験を抽象化して転用できる形で説明することが、実務未経験というハンデを埋める鍵になると感じています。
これから同じ道を考えている人は、ぜひ自分自身の「なぜ」を、面接前にしっかり言語化しておいてください。
一人で悩まず、まずは話を聞いてみるのも一つの方法です。→ エージェントを探す
自分に合う職種がまだ分からない方は、約2分のタイプ診断で方向性を整理できます。