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営業 不動産

不動産営業の年収は、働き方で全然違う。賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理、パターン別のリアル

結論

不動産営業は賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理でパターンが分かれ、年収の作られ方(固定給か歩合か)も働き方の負担もまったく異なるため、「不動産営業」という肩書きだけで判断せず、どのパターンかを必ず確認することが大切です。

「不動産営業=歩合で高収入」というイメージ、実はかなり大雑把な理解です。同じ「不動産営業」という肩書きでも、賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理では、稼ぎ方の仕組みも、日々の働き方の負担も別物と言っていいほど違います。医療職からの転職を考えるなら、この違いを知らずに「不動産営業」とひとまとめにして判断するのは危険です。

実際に、同じ「不動産営業」の求人を2社比較しても、片方は賃貸仲介、もう片方は売買仲介ということも珍しくありません。求人票の肩書きだけで応募先を決めてしまうと、入社後に「思っていた仕事と違った」というミスマッチが起こりやすいため、まずはこの3パターンの違いを正しく理解しておくことが大切です。

パターン①:賃貸仲介

学生・単身者・ファミリー向けに、賃貸物件の紹介から契約までを担当する仕事です。街の不動産店舗をイメージすると分かりやすいと思います。

年収レンジの目安:300万〜500万円程度

固定給+歩合という構成の会社が多く、歩合の比率は会社によって差があります。歩合が付く場合でも、1件あたりの成果報酬は数万円程度が相場で、極端な高額インセンティブは基本的にありません。

働き方の特徴

歩合の実感

件数をこなす仕事なので、1件あたりの歩合の重みは軽めです。良くも悪くも「大きく跳ねることはないが、大きく崩れることも少ない」という、波の緩やかな稼ぎ方になります。

パターン②:売買仲介

マイホーム購入や、投資用不動産の売買を仲介する仕事です。

年収レンジの目安:400万〜1000万円以上

歩合の比率が高く、個人差が非常に大きいのが特徴です。1件の契約金額が数千万円単位になるため、歩合(仲介手数料の一部)も1件あたり数十万円〜百万円単位になることがあります。

働き方の特徴

歩合の実感

「当たれば大きい、当たらなければ厳しい」という波が3パターンの中で最も激しいです。同じ会社の同じ職種でも、年収に2〜3倍の差がつくことも珍しくありません。安定よりも上振れを取りに行きたい人向けの働き方です。

パターン③:賃貸管理

オーナーから物件の管理を任され、入居者対応・修繕手配・契約更新・クレーム対応などを行う仕事です。

年収レンジの目安:300万〜450万円程度

歩合の比重は低く、固定給中心の給与体系がほとんどです。

働き方の特徴

歩合の実感

歩合による上下がほとんどなく、3パターンの中で最も収入が安定しています。「稼ぐこと」より「安定して働き続けること」を優先したい人に向いています。

3パターンを一覧表で比較

ここまで紹介した3パターンの違いを、一覧表で整理します。

項目 賃貸仲介 売買仲介 賃貸管理
年収レンジ 300万〜500万円 400万〜1000万円以上 300万〜450万円
給与の中心 固定給+歩合(中程度) 歩合の比率が高い 固定給中心
収入の波 緩やか 激しい ほぼ安定
繁忙期 1〜3月(引っ越しシーズン) 通年、検討期間が長い 突発的なトラブル対応
未経験の入りやすさ 高い やや高い 低い(求人数が少ない)

求められるスキル・資格の違い

3パターンとも宅建士(宅地建物取引士)は必須資格ではありませんが、求められる知識の重みは異なります。

賃貸仲介は、物件情報と契約手続きの基本知識があれば十分に対応できるため、宅建士がなくても未経験からのスタートがしやすい分野です。売買仲介は、重要事項説明や契約書の内容説明の機会が多く、宅建士を持っているかどうかで任せられる業務の幅、そして評価が大きく変わります。賃貸管理は、宅建士よりも設備トラブルへの対応力や、オーナー・入居者双方との調整力が重視される傾向にあります。

また、いずれのパターンでも、住宅ローンや資金計画の話が絡む場面が多いため、ファイナンシャルプランナー(FP)の知識があると顧客対応の幅が広がります。必須ではありませんが、宅建士取得後のステップアップとして検討する人もいます。

宅建士の取得可否や未経験からの取得タイミングについては、宅建士は不動産営業に必須?の記事で詳しく解説しています。

1日の流れで見る違い

同じ「不動産営業」でも、1日の過ごし方はパターンごとにかなり違います。

賃貸仲介のある1日

朝は当日の内見予約の確認からスタートし、日中は来店対応・物件案内・重要事項説明・契約手続きを繰り返します。1件あたりの対応時間は比較的短く、1日に複数組の内見を担当することも珍しくありません。夕方以降は翌日以降の予約対応や、反響(問い合わせ)への返信に時間を使います。

売買仲介のある1日

朝は前日までの商談内容の確認や資料準備から始まり、日中は物件の内見同行、オーナーとの価格交渉、金融機関への同行などが入ります。1件の商談が長時間に及ぶこともあり、平日の夜や休日に顧客対応が発生することも少なくありません。契約直前は重要事項説明の準備など、事務作業の比重も増えます。

賃貸管理のある1日

朝は入居者からの問い合わせ・クレームの確認からスタートし、日中は修繕業者の手配、オーナーへの報告、契約更新手続きなどのデスクワークが中心になります。設備トラブルの連絡が入れば、その都度対応の優先順位を組み替える必要があり、突発的な対応力が求められます。

未経験からの入りやすさにも差がある

初めての不動産業界であれば、まず賃貸仲介からキャリアをスタートし、実績を積んでから売買仲介にステップアップする、というキャリアパスも一般的です。

求人票でよく見る条件・キーワードの見分け方

求人票には「不動産営業」とだけ書かれていることも多く、実際にどのパターンに該当するのかが分かりにくいケースがあります。以下のようなキーワードを手がかりにすると、判断しやすくなります。

「営業」という言葉だけで判断せず、求人票の業務内容欄をよく読み、どのパターンに近いのかを見極めることが、入社後のミスマッチを防ぐ第一歩です。

キャリアパスの違い

3パターンは、その後のキャリアの広がり方にも違いがあります。

賃貸仲介からスタートした場合、店舗の店長やエリアマネージャーとしてマネジメントに進む道と、実績を積んだ上で売買仲介にステップアップする道の両方が考えられます。売買仲介は、成果を出し続けることで独立(個人事業主として仲介業を営む)という選択肢が見えてくるのも特徴です。賃貸管理は、管理戸数の多い大手企業であれば、複数物件を統括するマネージャー職や、PM(プロパティマネジメント)の専門職としてキャリアを積んでいく道があります。

「将来的に独立・高収入を目指したいか」「安定した環境でキャリアを積みたいか」によって、最初に選ぶパターンも変わってきます。

医療職の経験は、どのパターンに活きるか

精神的負担・体力的負担の違い

年収や歩合の仕組みだけでなく、日々感じる負担の種類もパターンによって異なります。

賃貸仲介は、1日に何組もの内見案内をこなすため、体力的な負担はそれなりにあります。ただし1件ごとの精神的なプレッシャーは比較的軽く、「今日決まらなくても、また次の反響がある」という切り替えのしやすさがあります。売買仲介は、体力的な負担は賃貸仲介ほどではないものの、1件あたりの契約金額が大きい分、成約に至るまでの精神的なプレッシャーは3パターンの中で最も重くなりやすいです。長期間の交渉が白紙に戻ることもあり、メンタル面のタフさが求められます。賃貸管理は、体力的な負担・精神的なプレッシャーともに比較的軽めですが、深夜・休日を問わず設備トラブルの連絡が入ることがあり、オンコール対応が必要な会社もある点は押さえておく必要があります。

「歩合制が怖い」という人へ

歩合制と聞くと身構えてしまう人も多いですが、賃貸仲介や賃貸管理のように固定給中心で歩合の波が小さいパターンも選べます。「不動産営業=ハイリスクハイリターン」と一括りにせず、自分がどの程度の変動なら受け入れられるかを基準に選ぶことが大切です。

指導していて感じた、それぞれのパターンに向いている人の傾向

理学療法士として指導していた頃を振り返ると、初対面の患者さんとも短時間で信頼関係を築くのが得意だったタイプの人は、賃貸仲介のようなスピード感のある仕事に向いている印象があります。一方、じっくり時間をかけて患者さんの状態を評価し、根気強く説明を重ねてきたタイプの人は、売買仲介の長期戦の商談スタイルに強みを発揮しやすいと感じます。

また、「大きな収入の波を受け入れるのは不安だけど、人と接する仕事は続けたい」という人には、賃貸管理のような安定志向の働き方が向いています。トラブル対応に慣れている人、臨床現場でイレギュラーな状況に落ち着いて対応してきた経験がある人ほど、賃貸管理の仕事にスムーズに適応できる傾向があるようです。

転職先を選ぶときのチェックリスト

求人票だけでは判断しづらい場合は、面接や転職エージェントとの面談で、具体的な業務内容と給与体系の内訳を必ず確認することをおすすめします。

転職エージェントを使うときのポイント

不動産業界は業態による違いが大きいため、一般的な転職サイトの求人票だけでは、実際の業務内容や歩合の仕組みまで読み取れないことがあります。不動産業界に特化した転職エージェントを利用すると、賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理のどれに該当するかや、実際の給与体系の内訳まで詳しく教えてもらえることが多く、ミスマッチを減らす助けになります。

複数のエージェントに登録し、同じ会社の求人でも聞く担当者によって得られる情報が異なることを踏まえたうえで、比較検討することをおすすめします。可能であれば、実際にその会社で働いている社員の話を聞ける機会(カジュアル面談など)を用意してもらうのも、リアルな働き方を知る有効な手段です。

よくある質問

Q. 3パターンの中で、一番未経験から挑戦しやすいのはどれですか?

A. 賃貸仲介です。求人数が最も多く、未経験者向けの研修制度を整えている会社も多いため、不動産業界に初めて挑戦する人の入り口として選ばれやすい分野です。

Q. 途中でパターンを変えることはできますか?

A. 可能です。賃貸仲介で経験を積んでから売買仲介にステップアップする、あるいは体力的な負担を減らすために賃貸管理へ移る、といったキャリアチェンジをする人も珍しくありません。同じ会社の中で異動できるケースもあれば、転職を伴うケースもあるため、将来的なキャリアチェンジも視野に入れているなら、面接時にその可能性を聞いておくと安心です。

Q. どのパターンが理学療法士の経験と一番相性がいいですか?

A. 一概には言えませんが、対人対応のスタイルによって向き不向きが変わります。短時間で信頼関係を築くのが得意なら賃貸仲介、じっくり関係を深めるのが得意なら売買仲介、トラブル対応や調整力に自信があるなら賃貸管理、というのが一つの目安です。

Q. 土日休みで働ける可能性はありますか?

A. 賃貸仲介・売買仲介の個人向け業務は土日が繁忙期になりやすいため、平日休みが基本です。ただし売買仲介でも法人向け(投資用不動産など)を扱う会社であれば、土日祝日休みのケースもあります。賃貸管理は、緊急対応を除けば比較的カレンダー通りの休みを取りやすい傾向があります。

まとめ

同じ「不動産営業」という言葉でも、賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理では年収の作られ方も働き方の負担もまったく違います。医療職としての経験はどのパターンにも活かせる部分がありますが、自分がどんな働き方・収入の波を望むかによって、選ぶべき分野は変わってきます。求人を見るときは「不動産営業」という肩書きだけで判断せず、どのパターンに該当する求人なのかを必ず確認してください。

「稼ぎたい」「安定したい」「対人対応を活かしたい」——不動産営業を検討する理由は人それぞれだと思いますが、その理由によって選ぶべきパターンは変わってきます。まずは3パターンの違いを頭に入れたうえで、求人票や転職エージェントとの面談を通じて、自分の希望に近いのはどれかを具体的にすり合わせていくことをおすすめします。焦って1社に決めてしまうより、複数のパターン・複数の会社を比較したうえで判断する方が、結果的に長く続けられる選択につながります。

不動産業界への転職全体像(年収・休日・向いている人の傾向)は理学療法士→不動産営業への転職はこちら、宅建士(宅地建物取引士)の資格については宅建士は不動産営業に必須?の記事はこちらで詳しく解説しています。不動産営業関連の記事をまとめて読みたい方は不動産営業まとめページもあわせてご覧ください。

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