福祉用具専門相談員の年収・「きつい」と言われる理由
転職後の年収の傾向や、「きつい」と言われる背景を調査と取材をもとに整理。
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理学療法士なら講習不要でそのまま福祉用具専門相談員になれ、これまでの医療知識を活かしながら環境だけを変えられます。
これまで経理・営業・事務・IT・公務員と、理学療法士から離れる転職先を紹介してきましたが、今回は少し毛色の違う選択肢です。「畑違いの業界に飛び込む」のではなく、医療・リハビリの知識を活かしながら環境を変えるという道、福祉用具専門相談員について解説します。
「経理や営業は正直ハードルが高い気がする」「せっかく身につけた知識をゼロにするのはもったいない」と感じている人にとって、選択肢の1つになるかもしれません。
福祉用具専門相談員は、介護保険を使って車椅子や介護ベッド、手すりなどの福祉用具をレンタル・購入する際に、利用者に合った用具を選定し、使い方を指導する専門職です。
福祉用具専門相談員は本来、都道府県が指定する研修(福祉用具専門相談員指定講習、50時間程度)を修了することで取得できる資格です。
ただし2015年4月の制度改正により、理学療法士・作業療法士・看護師・保健師・准看護師・社会福祉士・介護福祉士・義肢装具士の有資格者は、この講習を受けなくてもそのまま福祉用具専門相談員として働くことができます。つまり、PTの資格を持っている時点で、追加の研修なしに転身できるということです。
これは、これまで紹介してきた公務員試験(半年〜1年の準備期間が必要)や、経理(簿記の勉強が推奨される)とは対照的なポイントです。「早く動きたいけど、新しく資格や講習を受ける余裕はない」という人にとって、一番身軽に動ける選択肢だと言えます。
ここが、この転職先の一番の強みです。
理学療法士として培ってきた「歩行能力を評価する」「関節可動域を見る」「筋力低下のリスクを判断する」といったスキルは、福祉用具の選定において非常に重要な役割を果たします。単に「車椅子が欲しい」という要望に応えるだけでなく、利用者の身体状況を踏まえて「本当に必要な用具は何か」を判断できる視点は、講習だけで資格を取った人にはなかなか無いものです。
現場では、ケアマネジャーやリハビリ専門職と連携しながら福祉用具の選定を進める場面が多くあります。理学療法士としての臨床経験があると、こうした多職種連携の中でも専門用語や評価の考え方がすでに共有できているため、スムーズに関係を築きやすいという声もよく聞きます。
これまで紹介してきた4つの転職先と比べると、方向性がはっきり異なります。
| 転職先 | 医療知識の活用度 | 環境の変化度 |
|---|---|---|
| 経理・事務 | ほぼ使わない | 大きい |
| 営業 | ほぼ使わない | 大きい |
| IT | ほぼ使わない | 大きい |
| 公務員 | 部署によっては一部活きる | 大きい |
| 福祉用具専門相談員 | 直接活きる | 中程度 |
「今の仕事に限界を感じているけど、これまでのキャリアをゼロにはしたくない」という人には、福祉用具専門相談員が一番違和感なく移行できる選択肢だと思います。逆に「医療・介護業界から完全に離れたい」という人には、経理や営業の方が向いています。
理学療法士として指導していると、福祉用具専門相談員への転職を考える人にはいくつか共通した特徴がありました。
まず、訪問リハビリや在宅分野の経験がある人は、福祉用具の選定業務にスムーズに移行しやすい印象がありますね。利用者の自宅環境を見ながら「この動線ならこの手すりが必要」といった判断をする経験が、そのまま活きるためです。
一方で、急性期病院など院内でのリハビリが中心だった人は、在宅環境をイメージする視点に慣れるまで少し時間がかかる、という声も聞きました。とはいえ、これは慣れの問題であり、大きな障壁ではないというのが実感です。
また、体力的な負担を減らしたいという理由で検討する人も多い印象があるんですよね。福祉用具専門相談員の業務は、患者の身体を直接支えるようなリハビリ業務に比べると、身体的な負荷は軽減されやすい傾向にあります。
福祉用具専門相談員の年収は、勤務先(福祉用具貸与・販売事業所)の規模や地域によって幅がありますが、理学療法士としての臨床経験がある場合、即戦力として評価され、未経験者よりも好条件での採用につながりやすい傾向があります。ただし、事業所によっては歩合制の要素が入る場合もあるため、求人票の給与体系はよく確認しておくことをおすすめします。
これらに当てはまる人ほど、福祉用具専門相談員への転職は現実的で失敗しにくい選択肢になると思います。求人を探す際は、介護・福祉業界に特化した転職エージェントを使うと、一般の転職サイトには出ていない求人に出会えることもあります。
福祉用具専門相談員は、理学療法士としての知識・経験を活かしながら、働き方や環境を変えられる数少ない選択肢です。「全く違う業界に飛び込む勇気はまだ無いけれど、今のままも辛い」という人にとって、現実的な一歩になるかもしれません。
実際に転職した場合の年収の傾向や、「きつい」と言われる理由のリアルについては、給料は下がる?きつい?転職前に調べておきたいリアルで詳しく調べています。これまで紹介してきた経理・営業・事務・IT・公務員と合わせて、自分の性格や今後のキャリアの方向性に合わせて比較検討してみてください。医療知識を活かせる他の選択肢(ケアマネジャーなど)も含めてまとめて読みたい方は、医療系専門職の記事まとめもあわせてご覧ください。
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